今回は4本の映画のレビューをしていきます。
- プレーム兄貴、王になる
- ルース・エドガー
- 15年後のラブソング
- ブルータス・ジャスティス
『プレーム兄貴、王になる』 歌とダンスが満載のハートフルなインド映画
個人的に最近ハマってしまったボリウッド映画です。
ストーリー
面倒見が良くて、曲がった事が大嫌い、みんなからアニキと慕われる下町の貧乏役者プレームは、王位継承者争いで意識不明になったヴィジャイ王子の替え玉に仕立てあげられる。
映画『プレーム兄貴、王になる』公式サイト 2月21日(金)全国順次ロードショー (prem-aniki.jp)
なんとプレームと王子はそっくりだったのだ!しかし、異母兄弟だらけで複雑な関係の王家の弟妹も、フィアンセの王女も、尊大で頑固だった王子に心を開いてくれない。はじめは大人しく王子を演じていたプレームだが、次第に下町育ちの本領を発揮。真っすぐな心で、頑なな人々の心を溶かしていくが…
見どころ
年間製作本数2,000本といわれる映画大国インド。経済の隆盛と共に年々洗練されていく映画界では、社会問題を描くドラマや、ド派手なCGやアクションを重視する作品が増え、実は、歌とダンスを贅沢に盛り込んだ映画が減少していると言われている。
しかし、そんな時代の流れにインド映画界で最も影響力のある3大カーンの一人、サルマン・カーンが敢然と立ちあがる。
日本でもスマッシュヒットを記録した『バジュランギおじさんと、小さな迷子』を彷彿とさせる、純粋で世話焼きな下町のアニキ、プレームと、頑固で尊大なヴィジャイ王子の2役を演じて、全編通じて7シーンにも及ぶ絢爛豪華な歌とダンスと、喜怒哀楽の感情を全力で注ぎこんだインド映画原点回帰の本作は、「古き良きボリウッド映画の再来」と国内で注目を集め、2015年のインド国内興収No.3の大ヒットを記録した。
インド映画といえば、『歌とダンス』。
その『歌とダンス』をこれでもかというほど堪能出来ます。ちょっと多いと思うくらいにありますが、どれも衣装やセットが素晴らしく、とても色鮮やかで見ているだけでハッピーな気分になります。
歌もダンスも完成度が高く、思わず見入ってしまいます。
これこそボリウッドと思わせてくれる映画です。
この映画、実は164分もあります。
インド映画では長編映画は珍しくなく、映画館での上映では途中で休憩があったりもします。
この映画は途中休憩ありきな作り方にはなってなかったです。おそらく歌とダンスが多い分長くなっているのと、ストーリーも最後までしっかり作られているからなのかもしれません。
王族一家のお家騒動に下町の心優しき兄貴が巻き込まれ、兄貴のユーモアと優しさで、王族兄弟のわだかまりを振りほどいて、それぞれが心救われるというストーリーも、とても良かったです。
感想
ストーリー的には中盤まで分かりづらくいまいちなんですが、中盤から終わりまで主役のプレームが良い奴過ぎて、心が温まります。
後半は時間の長さが気にならなくなるほど、見入ってしまいます。
主役のプレームが見た目はインド版シルベスター・スタローンのようなガッチリマッチョでダンディなのに、歌って踊れてお茶目な感じが、ギャップがあって引き込まれました。
そのプレームが憧れる女性がとてもキレイです。そりゃあ兄貴もメロメロになるわ~と納得できます。
ソーナム・カプールという女優さんで、自分の好きなインド映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』(18)にも出演しています。
映画のパッケージから想像するような映画では全くないです、良い意味で。
インド映画のきらびやかな歌とダンスが好きな方にはもちろん、ストーリー重視の方にもおススメ出来る映画です。
コメディ多めのハートフルな作品ですので、多くの方にオススメです。
『ルース・エドガー』サスペンスヒューマンドラマ ルースは模範的優等生?それとも?
ストーリー
バージニア州アーリントンの高校生ルース・エドガーは文武両道に秀で、スピーチやユーモアのセンスにも長けた17歳の少年だ。アフリカの戦火の国で生まれた過酷なハンデを克服し、さまざまなルーツを持つ生徒たちの誰からも慕われている彼は、自由の国アメリカで希望を象徴する存在へと成長した。そんなルースがある課題のレポートをきっかけに、同じアフリカ系の女性教師ウィルソンと対立し、彼の順風満帆の日常が大きく揺らぎ出す。ルースが危険な過激思想に染まっていて、同級生への性的暴行事件にも関わったのではないかというウィルソンの衝撃的な“告発”は、ルースの養父母である白人夫婦エイミーとピーターの胸にも疑念を生じさせていく。はたしてルースは何者なのか。本当に“完璧な優等生”なのか、それとも世間を欺く“恐ろしい怪物”なのだろうか……。
見どころ
人間の心理をテーマとした作品で、期待される者、期待する者、それぞれの立場のからの思いや思惑が交差し、絡まっていく、、、そんな事態が起きたのは偶然か?思い違いか?それとも誰かの陰謀か?
人種、容姿、性別、階級、学歴、思想、信仰……アメリカの歴史や社会問題に切り込んだ作品で、見る人によって解釈や感想が異なるであろう作品です。
サスペンスフルな展開でありながら、人間の本質に問いかけるヒューマンドラマでもあるので、サスペンスが苦手の方でも見れると思います。
感想
見ていてずっとモヤモヤする作品でした。良い意味でですけど。
そうさせるように練られたストーリーと展開で、最後の方まで「で、本当はどっちなの??」って、ずっとモヤモヤさせられます。
見た後もスッキリはしないんですけど、だからこそ何度も考えさせられます。
アメリカならではの移民や人種などの問題が、大人だけではもちろんなくて、子供たちにも大きな影響を与えてしまっていることを、再確認しました。
大人が抱く子供への期待や評価が、子供たちにとっては型にはめられるように感じたり、プレッシャーになったり、本音が言えなくなったりする事につながる。
そんなことを両者の目線で垣間見れた作品でした。
サスペンスが好きな人にはもちろんですが、社会派映画の好きな人にもオススメできる作品でした。
『15年後のラブソング』大人になれない大人たちの恋愛再発見ストーリー
ストーリー
イギリスの港町、サンドクリフ。アニーは同地の美術館のキュレーターとして働いていた。彼女はパートナーのダンカンと一緒に暮らしており、何不自由ない生活を送っていたが、どこか物足りなさを感じていた。
ダンカンはロック歌手、タッカー・クロウの歌をこよなく愛していた。タッカーは1993年を最後に表舞台から姿を消したこともあって、伝説の存在と化していた。そんなある日、ダンカンはタッカーの代表曲『Juliet』のデモテープが収められたアルバム『Juliet, Naked』を入手し、何回も繰り返し聞いていたが、アニーはその出来に満足できなかった。それを正直に伝えたところ、アニーはダンカンと口論になってしまった。アニーはどうにも納得がいかず、ダンカンが運営するタッカーのファンサイトに『Juliet, Naked』を酷評するレビューを投稿した。
しばらくして、アニーの元にタッカー本人から「率直な感想を述べてくれたことに感謝致します」というメールが届いた。それをきっかけに、2人はメールのやり取りを始めたが、この予期せぬ出会いが2人の人生を大きく変えることになった。
見どころ
クセの強い子供じみた大人が多く登場しますが、それこそリアルな気がして身近な作品に感じれます。
大人になって結婚し、ケンカをしながらもお互いに納得した生活を、何不自由なく日々過ごしている。
そんなよくあるシチュエーションに、ちょっとした出来事で人生を大きく変え、やり直すきっかけになるという、誰もが思い描く人生を、等身大の大人たちが繰り広げます。
悩める大人たちが、ラブソングを聞くような感覚でみれる、そんな映画です。
感想
ベタベタの恋愛映画かと思ってみましたが、どちらかというとコメディ映画でした。
恋愛要素は最後の方まで本当にうっすらな感じでした。
展開が独特で、ちょとイライラしたり、納得できなかったりなこともありますが、世間なんてそんなことばかりなんだろうなと、思えてしまいました。
セカンドライフに憧れて、もう一度大人の恋愛をしてみたいとお思いの中年層の方々には響く映画かなあと思いました。
『ブルータス・ジャスティス』 メル・ギブソンの渋さが光るハードボイルド映画
ストーリー
ベテラン刑事ブレット(メル・ギブソン)とその相棒トニー(ヴィンス・ヴォーン)は強引な逮捕が原因で6週間の無給の停職処分となる。家族のために大金を必要としていたブレットは、一攫千金を狙い、ある犯行を計画する。それは不穏な動きを始めた犯罪者の情報を得て、その取引後に金を強奪するというものだった。ブレットはトニーを誘い、ボーゲルマンという男を監視する。ある朝、動き始めたボーゲルマンとその仲間を尾行するブレットとトニー。ところがその追走劇は、彼らを待ち受ける地獄の始まりだった…。
映画『ブルータル・ジャスティス』公式サイト|8月28日公開 (klockworx-v.com)
見どころ
見どころはやっぱりメル・ギブソンのシブい演技です。メル・ギブソン好きにはもちろん、シブいおっさんが好物の方にはたまらない映画です。
銃と犯罪、貧困、差別、刑事、相棒、定職、でも家族思い、、、アメリカが大好きな要素が詰まった、ハードボイルドな作品です。
ストーリーよりもハードボイルド重視って方にはオススメな作品です。
感想
個人的にはメル・ギブソンが好きなので、シブさ前回のメル・ギブソンが見れて満足です。
ただし、ストーリー的にはいまいちでした。
全体的に悲しい雰囲気の作品なので、なんかしんみりな気分になる作品でした。
静かなシーンが多いので、睡魔がちょくちょく襲ってきます。
メル・ギブソンの渋い演技を堪能するだけの映画な感じです。
ハードボイルドな映画が好きな人、もしくはメル・ギブソンが好きな人にしかオススメは出来ない映画でした。
まとめ
今回紹介した映画は4本でしたが、気になる映画はあったでしょうか?
それぞれターゲットの違う映画でしたね。
レンタル店の新作の棚で、何となく気になったものを借りて見ることが多いのですが、今回は大きな外れはなかったです。
個人的には大当たりは『プレーム兄貴、王になる』でした。パッケージの写真が外れっぽいのでしばらくスルーしてましたが、かなり面白かったです。
『ルース・エドガー』もなかなか無い社会派サスペンスで、心に残る映画でした。
映画って本当にいいものですね~。それでは。